世界遺産検定2級・3級、新旧テキスト比較!

 もうすぐ新年度! という事で新しい学校書籍、参考書や問題集なんかが相次いで発売される時期だと思うが、われらが(?)世界遺産検定も今回のタイミングで1級を除く2級~4級が新たに改訂版を発行してる。
 今回新しく世界遺産検定2級と3級の第4版テキストを購入したのでひとつ前の第3版と違いを確認してみた。

世界遺産検定2級テキスト

ー世界遺産検定2級公式テキストー
くわしく学ぶ世界遺産300 <第4版>

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 まずは世界遺産検定2級の公式テキストから。表紙の遺産は「アーヘン大聖堂」から「ブラジリア大聖堂」に変わっている。
 そして一番重要なポイント、取り扱っている遺産のラインナップを、中身をめちゃくちゃ詳しく調べたわけではないがざっと確認した。以下の通り。

百舌鳥・古市古墳群の追加

 一番取り上げなけなければならないのはなんといってもこれだろう。ひとつ古い第3版のテキストが改訂されたのが2019年の3月、その年の夏の第43回世界遺産委員会(アゼルバイジャン)で登録された為今回の改訂で新しく記載となった。 登録基準は(iii),(iv)。大阪府に世界遺産が増え、近畿地方2府4県すべてに世界遺産が存在する事となった。

百舌鳥・古市古墳群
新たに追加された遺産(海外)
  • グラドルビ・ナド・ラベムにある式典馬車用の馬の繁殖・訓練地の景観
  • ジョドレルバンク天文台
  • 中国の黄海・渤海沿岸の渡り鳥保護区(第一段階)
  • バガン
  • フランク・ロイド・ライト20世紀の建築
  • ラジャンスタン州のジャイプール市街

 今回の第4版に新たに追加されたのはこの6遺産である。共通点としては全て2019年の第43回世界遺産委員会で登録された遺産であるという事だ。

 注目したいのは「バガン」と「フランク・ロイド・ライト20世紀の建築」。

 「バガン」は現在でも3000以上の仏塔が立ち並ぶミャンマーの仏教聖地であり、アンコール・ワット、ボロブドールと並ぶ世界三大仏教遺跡の一つ。
 「フランク・ロイド・ライト20世紀の建築」は、ル・コルビュジエ、ミース・ファン・デル・ローエと並ぶ三大建築家、フランク・ロイド・ライトの建築作品で”落水荘”を含む8作品が世界遺産に登録された。ちなみに彼の多数の作品の中で、将来の拡張登録候補として推薦書には兵庫県芦屋市にある「旧山邑家住宅(現:ヨドコウ迎賓館)」が記載されている。前回の1級のテストにも出題された問題なのでこの遺産はしっかり押さえておいた方がよさそうだ。

旧山邑家住宅(wikipedia)
今回の改訂で除外された遺産
  • アルト・ドウロのワイン生産地域
  • ウベダとバエーサのルネサンス様式の記念碑的建造物群
  • シドニーのオペラハウス
  • スンダルバンス国立公園
  • ピリッポイの考古遺跡 

 今度は逆に記載されていたもので2級テキストから除外された遺産。 新旧のテキストを見比べてみると、なるべく同じジャンルで同じくらいの解説文字数を割いた遺産が交換されるような形で追加と除外が行われている。例えば西洋の文化的景観が一つ除外され一つ追加されるといった感じに。

 しかし今回追加されたのは6遺産、除外されたのは5遺産。。

つまり全体で1遺産増えているのだ!

 オペラハウスが除外されたのはちょっと意外だった(3級テキストには記載されている)。というかそもそもぴったり300件じゃなかったのか?2級のテキストって!? 念の為海外の世界遺産は何件記載されているのか数えてみることにした(暇人)。そしたら

 旧テキスト(第3版) 海外遺産300件

 新テキスト(第4版) 海外遺産301件

 増えてました、やっぱり1件。今回は301件の世界遺産が掲載されていると判明した。

世界遺産検定3級テキスト

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 続いて3級のテキストを比較してみた。表紙は「シドニーのオペラハウス」からクレムリンの「聖ワシリイ大聖堂」に変わった。遺産の変更は以下の通り。

新たに追加された世界遺産
  • 百舌鳥・古市古墳群
  • 四川省のジャイアントパンダ保護区群
  • バビロン

 百舌鳥・古市古墳群は2級同様2019年に新たに登録された日本の世界遺産なのでもちろん追加されている。「四川省のジャイアントパンダ保護区群」は特に2006年の登録で直近ではないのだが今回新たに追加された。
 そして「バビロン」は古・新バビロニアの都でメソポタミア文明の中心都市のひとつだ、こちらも2019年登録された遺産。個人的にとてもうれしい。

バビロンのイシュタル門,ネブカドネザル2世の碑文(wikipedia)
今回の改訂で除外された遺産
  • フェニキア都市ビブロス
  • エル・ビスカイノ鯨保護区

 海外の世界遺産は文化遺産・自然遺産共に1件ずつ追加・除外されている事になる。「エル・ビスカイノ鯨保護区」は世界遺産検定の常連だと勝手に思っていたのでとても残念だ。

ほかの変更点とまとめ

 今回の改訂では若干のマイナーチェンジかと思いきや2級ではオペラハウスがなくなっていたり、海外遺産が301件と全体的に増加したり面白い発見ができた。

 ほかに気が付いたこととしては、「ポルトの歴史地区」が「ポルトの歴史地区,ルイス1世橋とセラ・ド・ピラール修道院」といった具合に遺産名の変更が確認できた。
 赤文字や黒太字の部分が少し変わっている箇所も何か所か確認できた。世界遺産の基礎知識等で採用されている写真が変わっている所もあった。ただじっくりと確認したわけではないので他にも後から気が付くことがあるかもしれない。

 もし以前のテキストでこれから2級3級の試験に挑戦される人がいたら参考にしていただければ幸いだ。そんな自分も次7月に1級をリスタ受検予定なので世界遺産関連の情報はこれからも投稿していこうと思う。

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