【まとめ】世界遺産検定1級に一発合格! 2ヶ月半の勉強方法等

 先月、2020年12月に受けた世界遺産検定1級の試験。なんとか合格点を取ることが出来た。今回はこの勉強期間2ヶ月半をどのように過ごしたのか記してゆこうと思う。ただし、点数がギリギリだったので参考になるかは保障できない。笑
 また自分は7月に3級、9月に2級、12月に1級と全て1発で合格してきた。そのうえで実践した勉強方法と試験結果、そして受検経験を踏まえて思う試験対策を書いてゆこうと思う。

 試験対策の方法と感想を最終章に記しているので急いでいる人はそこだけでも読んで検討して欲しい。

世界遺産検定1級 概要と準備

 検定1級は2級合格者に受検資格があるので今このページを読んでいる人は2級の合格を経て次の1級受検を検討されている方が大半だと思う。ここからは主に2級と対比して記してゆく。

 なので世界遺産検定がどんな資格であるかの解説や2級や3級のまとめ記事は以下で。↓

 試験形態・日程について
マイスター・1級2~4級
実施回数 7月・12月の年2回実施  2(3)月・7月・9月・12月の年4回実施 
CBT試験1級…有(当日のみ)
マイスター…無し

 世界遺産検定1級は2級以下の試験と違い試験開催が7月・12月の年2回と少ない。そして第42回試験より2級~4級で実施されているCBT試験については当日のみ実施される。(CBT試験の詳細についてはこちらの記事へ)
 つまり2級~4級に比べて受検のチャンスがとても少ない。なので2級に合格したら今まで勉強した世界遺産の記憶があるうちに挑戦する方がいい。2級合格→その直後にある1級試験を受ける、という流れがベストだと思う。

 配点・合格点

  ここでも2級との比較を表にしてみる

1級2級
問題数90問/200満点60問/100満点
試験時間90分60分
合格点140点(7割)又は受検者の20%60点(6割)又は受検者の40%
合格(認定)率20.1%*51.1%*
*1級は第36回(令和1年7月)と第38回(令和1年12月)、2級は第38回(令和1年12月)と39回(令和2年2月)の平均値での算出

 問題数と試験時間が1.5倍になる。問題1問にかける時間の割合は変わらないが、自分自身は試験を解き終わって1問目から見直しをしている途中で試験の終了時間になってしまった。つまり体感的にはまぁまぁギリギリだった(笑)
 合格点は全体の70%の正解となる。2級までは6割を取れていれば良かっただけに厳しく感じる。よって合格率も全体の2割とグッと低くなっている。一応合格基準点は140点だが合格者の割合が20%に満たない場合は調整が入り、136点や134点など合格点が下がったりするようだ

 テキスト・過去問・ノートの有無

 個人的な準備物。

○最新版の公式テキスト
○過去問は最新版と以前のものを数冊用意。
○薄っぺらいノート1冊も準備

世界遺産検定1級公式テキスト
すべてがわかる世界遺産大事典
<上・第2版>
定価:3,250円 税別
https://amzn.to/39MSdPS

世界遺産検定1級公式テキスト
すべてがわかる世界遺産大事典
<下・第2版>
定価:3,250円 税別
https://amzn.to/36506PL

 公式テキストは言うまでもなく必須だ。中古本もアマゾンやメルカリ等で出回ってはいるが、基本的に毎年新しい世界遺産が追加・登録される(2020年は例外として)のでテキストは必ず最新版を購入しよう。
 過去問題集については、1級は1冊に2回分しか試験問題が掲載されていないので過去の過去問題集を数冊準備するのが望ましいと思う。自分は以前の過去問題集を2冊ほどメルカリで購入した。


 3級・2級の時は試験勉強の際にはテキスト通読と過去問を解く事で合格できた。しかし1級の勉強をするにあたって自分自身、初めてノートを利用した。他の試験対策ブログなどではノートを使うなという意見も散見されるが、しかし世界遺産の基礎知識に関して言えば、テキストでは条約や出来事が時系列順に記載されていなかったりする。なので一旦事象をノートに年代順に整理した方が理解しやすくなる。また沢山ある世界遺産を国別や登録基準別にカテゴライズしたり、複数の遺産に登場する同一人物・同一民族をまとめたりする為に活躍した。
 ノートで各遺産一件一件をまとめるのではなく、基礎知識とその他は必要な部分のみ、自分の頭の中を整理する目的で利用するのが良いとおもう。なので25頁とか30頁綴りの薄いノートで十分だ。

実践した勉強と勉強時間

 ペース配分

 1級の問題の各項目の出題比率は公式HPの通りだと表のようになる。

 基礎知識 日本の世界遺産海外の世界遺産 その他 
出題割合25%20%45%10%
ページ数33頁103頁約740頁

 この辺は2級と似通った考えになるが基礎知識・日本の遺産は、内容が詳しくなったとはいえ合わせてもテキストで150ページたらずだ。上下巻合わせて約900ページある中で150ページをしっかり覚えれば200点中90点くらいは取れるわけだからコスパがいいのだ。 なのでそれを踏まえ、まずは勉強前に自分は次のような計画を立てた。

「テキストを上下巻あわせて2回通読する。そのあと基礎知識と日本の遺産を掘り下げて勉強する。」

 そう計画して勉強に移った。が、しかしフタを開けてみれば、実際にはテキストの通読は1回で終わってしまった。。なぜなら海外の世界遺産が全然読み終わらないからだ。10月からぼちぼち読み始めて試験の数日前にやっと最後まで1回通して読み終わった感じだ。
 はっきり言って約900ページ、1121件(2021年1月現在)の世界遺産を順番にしかもひとつずつ覚えながら読み進めてゆくのだから、なかなかページ数も進まない。おわらない。

 日本の遺産を除いても約1100件弱ある世界遺産。10月頭から試験日まで約75日だったので単純に1日14~15件のペースで覚えてゆかなければならない。2回通読するならば1日30件ペースだ。

 結果的に自分はテキスト上下巻をじっくり1周通読して、そのあと基礎知識をノートにまとめて日本の遺産を再度23件読み込んでテスト当日を迎えた。つまり海外の世界遺産については実質1回しか読んでない。。

 覚えるべきところ

 テキスト全部隅々まで覚える必要はないと思う。以下のとおり。

基礎知識  ・・・ 年代の流れ移り変わりも理解しテキスト全部丸覚え+ノートで整理

日本の世界遺産 ・・・ 平文はもちろん図や表も含めテキスト全部丸覚えする気持ちで

海外の世界遺産 ・・・ 平文もざっくり理解しつつも基本的に赤字・黒太字を覚え

その他時事問題等 ・・・ 世界遺産委員会、登録推薦遺産、無形文化遺産、世界の記憶等
テキスト外からの問題も出題される

 基礎知識については33ページほどなので満点を狙うつもりで全て理解しテキスト枠外の脚注の小さな文字も全て拾って覚えたほうがいいとおもう。憲章・条約の時系列をノートにまとめてシリアル・ノミネーション・サイトやトランス・バウンダリーサイト、文化的景観、危機遺産なんかをカテゴライズしていくといい。

 日本の世界遺産も同様で23件全てを詳細まで理解し覚える。ノートはとらなかった。しかしテキストに載ってない詳細、例えば高山寺の外観写真をネットで調べたりなど、テキストの内容をより覚えやすくするためにネットで知識や情報を深めたりした。また、基礎知識も日本の遺産も既に2級の勉強時点で知識の土台が出来ていると思うので案外詳細まで頭に入りやすい

 海外の世界遺産についてはやり方がとても重要だ。

 テキストの世界遺産大事典を購入し中身を見て思った事がある。それは、海外の世界遺産については2級のテキストとレイアウトが基本変わらないのだ。
 例えば「聖山スレイマントー」という世界遺産が手元の2級のテキストには説明文5行程度で載っていると思うが、この遺産は1級のテキストでも同様に5行程度で解説されているだけなのだ(赤字文部分は変わっているが)。こういった遺産が沢山ある。もちろん1級のテキストでは、半ページや見開き1ページに渡ってより詳細に紹介されている遺産も沢山あるが、全ての世界遺産が辞典のように細かく解説されているわけではないという事だ。説明文の面積が見開き1ページや半ページの遺産は詳しめに、その他説明文の短い遺産は赤字・黒太字のみ覚えるという風に仕分けして勉強した。

 その他時事問題については、直近の世界遺産委員会の詳細(開催国・登録遺産・日本の推薦遺産等)や無形文化遺産や世界の記憶等、テキストに出てこない部分も調べておく必要がある。ここは情報の鮮度が大事なので試験の直前に調べよう。自分が使っていた一番役に立つサイトを紹介しておく。ここには世界遺産委員会での決定事項や日本の無形文化遺産詳細など、とても詳しく記載されている。

参考 世界遺産ニュース

 過去問題集利用のタイミング

 試験勉強を始めるにあたって最初に、その時点で最新2020年版の過去問題集(つまり2019年の試験問題)の1回分を解いてみた。これで何となくの自分の現在の学力と、1級の問題の問われ方、出題傾向が分かるからだ。もちろん全然解けなかったが。笑

 最新の過去問の残り1回分は試験直前に取っておき、以前の過去問題集はテキストの科目ごとに、基礎知識を勉強した後にその部分だけをやる、という具合に分解して自分の理解度の確認材料として利用した。

 また過去問と同じ問題は出題されないというのが情報として言われていたが、自分が受検した42回12月試験し関しては、過去問そのままの出題や少し改変して出題されたような問題があわせて3問も出題されていた事も伝えておかなければならない。

試験結果と手ごたえ

 自分自身、試験の結果は自己採点で145点/200点だった(合格通知がまだなので)。合格したといえども勉強の仕方が大正解だったわけではない。当日の様子や感想は以前の記事を参考にして欲しい。

 試験本番に分からない問題があった時、色んな方法で妥当な選択肢を選ぶと思うが、1級の試験では正解を知っていないと選びにくいような選択肢を用意してくる。今回の試験でそれをとても感じた。

 例えば、「『古都ルアン・パバン』に関する以下の問いに答えよ」とことわりがあったうえでランサン王国初代国王がセイロンから取り寄せた仏像の名前を問う問題が出た。 選択肢は①バハイ・ナ・バト ②ダンブッラ ③マハータート ④パバン なのだが、もし答えが分からずに妥当な番号を考えて搾り出す場合④を除外しがちだと思う。もちろん正解は④番なのだが、答えが分からない人がたまたま正解する確率をグッと下げるシステムが要所に見られるのだ。

【まとめ】試験を終えて改めて考えた勉強方法

 という事で試験の結果や手ごたえもふまえて、2~3ヶ月で1級に合格する勉強方法を考えて箇条書きにしてみた。

○最新版のテキスト・最新版の過去問・以前の過去問数冊・薄めのノートを用意

○まず過去問1回分を解いて難易度と出題傾向把握。(解けなくてOK、調べて解いて学習)

○テキスト上下巻2週通読するつもりで。まず一週目はじっくり読む(1~1.5ヶ月)

○カテゴリー(基礎知識、アジアの遺産等)ひとつ終わるごとに過去問で記憶度を確認

基礎知識は丸覚えするつもりで。年代順並べ替え等ノートも活用して頭の中を整理。

日本の遺産も全て細かく読み込む、丸覚えでネットの画像等でテキストの情報補足

海外の遺産は基本赤字・黒太字を覚える。掲載面積の大きい遺産は平文も理解する。

時事問題は直前に。世界遺産委員会・推薦遺産・無形文化遺産・世界の記憶。

○参考サイトで情報を仕入れる。https://heiwa-ga-ichiban.jp/sekai/news.html

  以上が1級の試験勉強のおすすめカリキュラムだ。

 2級までの試験は沢山の人を認定したい試験。逆に1級は落としにかかる(ふるいにかける)試験だと感じている。受検料も約1万円とテキストも合わせると最低でも約1万7千円かかる認定試験なのだ。それを踏まえてもなんとしても1発で合格したいものだ。

 自分は1級に合格したもののギリギリの点数だった。ぶっちゃけ約3割の問題が分からなかったのだから、もう少し勉強を続けて7月に1級を再受検しようと思う、いわゆるリスタ受検というやつだ。 1級と聞くと「その資格を極める者」というイメージがどうしても付いてしまう。そのイメージに応えられるように努力したい。

コメント

  1. 匿名 より:

    次回の一級を受けようと思ってます。どこから手をつけたらいいか悩んでいたのでとても参考になりました。
    実際にまとめたノートも見てみたいです。

    • iwaiwaiiwaiwai より:

      コメントありがとうございます◎
      僕自身ギリギリの合格なので半分くらい参考にして頂ければ幸いです笑

      携帯で撮ったので荒いですがこんな感じでノートとってました。
      note1
      note2
      note3

  2. 匿名 より:

    わ~ありがとうございます!
    ギリギリでもいいから合格したいので、モチベ下がってきたらまた記事読みに来ますっ!ありがとうございました✨