実は10日ほど前にPCR検査を受けてきたので自分が体験したことを報告したいと思う。 ただしこれはあくまで事例のひとつでここに書くことが日本全国の現状と必ず一致するとは限らないと思うのでご注意を。
発熱と治癒
4月19日の夜、なんだか体がだるく、節々がピリピリと少し痛い感覚を覚えたのでこれはと思い体温計で熱を測ると37.3℃だった。自分の平熱は35.8℃~36.3℃くらいと記憶していたのでしっかりした微熱(微熱以上かもしれないが)だった。 この日は市販の風邪薬を飲んで早めに眠りにつく。
次の日の4月20日。起きると昨夜のダルさや関節の痛みは無くなっていた。体温を測ると36.3℃、何となく本調子でなかったが普段の感覚とほぼ変わらない感じ。しかしこんな時期なので、その当日に予定していた約束をキャンセルして念の為に病院に行くことにした。
というのもささやかな音楽活動をしているので人前に出ることもあるし、生活上週の半分は家族にも接触しているのでできる事ならばPCR検査を受けて少しでも安心したい、という気持ちがあった。
まずはどこに相談するのか
まずどうすればPCR検査が出来るのかも全く知らなかった。あれだけ毎日のようにテレビやネット、SNSで目にする言葉なのに。まずどのように行動すべきかさっとネットで調べると次の通り。
- かかりつけの医師
- 近くの医療機関
- 発熱等受診・相談センター(兵庫県の場合)
上記のどれかに電話で相談すると。かかりつけ医師が存在すればそこに相談するのが一番だが、自分には存在しないのでまず自治体が開設している相談センターに電話で聞いてみることにした。ちなみに住んでいる兵庫県の場合は以下。
平日 9:00~17:00 … 地域の健康福祉事務所
上記以外の時間と土日祝 … 新型コロナ健康相談コールセンター 078-362-9980
参考 新型コロナウイルス感染症に関する相談窓口(兵庫県)
参考 新型コロナウイルス感染症に関する各相談窓口(大阪府)
参考 新型コロナウイルス感染症の相談・受診・検査体制(京都府)
平日の昼、という事で健康福祉事務所に連絡してみる。一発で電話は繋がらなかったが、2回目で繋がった、しかし
「たくさんの相談を頂いており只今折り返しの相談約束という形になります。明日以降に連絡させて頂く事になりますがよろしいですか」
と告げられた。相談も順番待ちかと感じた。この日4月20日は感染状況としては大阪1153人、兵庫県427人。東京よりも大阪の感染者が上回り、まん延防止等重点措置からさらに緊急事態宣言を要請するという話になったところだった。
近くのPCR検査できる内科医をネットで探す。いくつかの病院を見てみたがどのHPにも「風邪の諸症状や味覚・嗅覚障害の症状のある方は予約のみの診療となります」のような注意書きがある。急に直接来院は出来ませんという事だ。
近くの医院へネット予約を試みる。HPの問診欄に症状を記入、昼頃だったが当日は予約ができず次の日4月21日の来院受付で予約を完了した。 するとその日の夕方に予約した病院から電話がかかってきた。一通りの発熱から現在までの状況を話すと、
「今症状を訊いた限りでしたら診察に来られても当院からの案内でPCR検査を受けることはできません。希望される場合は自己負担となりますがよろしいですか」
と告げられた。その病院はNEAR法の鼻咽頭検査を自己負担で2万4千円だという事だったので他を探しますと伝え電話を終えた。
公費負担と自己負担の違い
公費負担の場合は検査代が実質無料になる。医師の案内によりPCR検査を受けた場合、まず検査料金は保険で3割負担を請求される。これを国が負担してくれるので無料になる。ただし病院で診察した際の診察料や初診料は自己負担。 PCR検査代のみがタダになるという事だ。
公費負担となるためには医師から検査が必要との判断を受けなければならない
ではその医師の判断基準はどういったものなのか。これについては対応する医師によっても多少の違いがあるように思うが判断基準として挙げられるのは
- 37.5℃以上発熱が4日以上続く(高齢者の場合2日以上)
- 強いだるさ、息苦しさ
- 濃厚接触者の可能性がある
- 味覚・嗅覚障害等
こういった症状・状況の該当するものがあったうえでそれぞれの医師が判断しているようだ。自分の場合は37.3℃の熱が半日あっただけなので検査希望なら自己負担という事になる。
とりあえず自己負担でPCR検査を受けられる施設をネットで色々探した。 自己負担のPCR検査だけなら民間機関が受付ているところがいくつもある事に気づく。
初めに見つけたのが‟大阪PCR検査センター”。梅田・難波・新大阪にあって自宅からも最も近い。 しかし予約画面に進むとGWまで向こう10日以上予約で埋まっていた。ここにきて世の中のが本当にコロナウイルスという感染症の真っ只中にいるという事を改めて実感したのだった。
自己負担で検査 手続の流れ
Setolabo衛生検査所 神戸PCRサテライト
今日明日にでも予約が取れる機関はないものかと色々さがして最終的に見つけたのが神戸にある検査機関だった。
という衛生検査所。予約は次の日4月21日の14時50分。予約時間フォームには5分刻みで予約してゆくようになっている。密を避ける為だろうか「予約時間‟ちょうど”に来てください」とのお願いが記載されている。料金はpaypalで5500円、現金で6000円。補助金・給付金等の助成に基づく金額との説明書がある。
ひとつ不安だったことがあった。予約した後に予約完了メールが何も届かないのだ。paypal決済も久しぶりだし、自分でも何時に予約できたかちゃんと確認したかったのだが。予約完了的なメッセージもなく、paypalの支払い完了メールだけが届いた。これは不安で仕方がなかった。
LINEで質問を受け付けているようなのでそこに予約が取れているかメッセージを送ったが、10時~17時以外は返事が来ないみたいなのですぐにはわからなかった。急いで設置された検査機関だと思うのでそれは仕方ないか、と次の日の返事を待った。
4月21日予約当日。予約出来ているとのLINEの返事をいただいたので、阪急電車にのって最寄りの花隈駅まで向かった。
駅からは徒歩5分程度、しかしどんな場所かもよくわからなかったので少しだけ早めに向かって遠くから様子を確認する事にした。
場所としてはJR神戸線の高架下の建物。しかし高架下商店街側ではなく外側(道路側)に受付があった。
建物の中に入るのではなくあくまでも窓越しに受付し、窓から検査キットを手渡される。自分が予約した時間帯は並んでる人は少なかった。(後から少し人が並んでいたが)みんな案外時間を守ってやって来ているのだとおもう。
大々的ではなく遠慮気味な看板。周りにも配慮しているのだろう。看板にはメッセージが
「近隣店舗前での検体採取はおやめください」
しっかり調べてこなかった自分が悪いのだが、今回受けた検査は唾液検査。鼻から棒を突っ込む鼻咽頭検査とツバを採取する唾液検査があって、現在検査の精度は同程度のようだ。結果が出るのに唾液検査の方が少し時間がかかるが費用は鼻咽頭検査よりも少し安め。
唾液採取は各自で行う
衛生検査施設で色々用意して採取・検査まで全て行ってくれるのかと思っていたが、実際の流れとしては
検査施設で検査キットを受け取る
↓
各自で唾液採取(その場や近隣での採取禁止)
↓
検査施設へ検査キット提出
↓
結果をHPで確認
上記のようになる。受け取った検査キット内の紙に注意書きがあり、施設の近隣での唾液採取はやめてくださいと記載されていた。なるほど、だから誰も施設の周りにいなかったのか。周りの店舗から苦情が届いているようだ。
自宅、来られた際の車内で採取くださいと説明書には記載があったが、はるばる神戸に電車で来たのに一旦家に帰るわけにもいかないのでひと駅歩いて隣の駅のお手洗いを借りた。
検査キットは上記の通り。説明書と唾液採取用のチューブ、検査番号やQRコードの記された紙の3点だ。唾液が採取できるとジップロックに入れて提出する。
その日の17時までに提出すればその日のうち21時以降にHPで確認可能となる。陽性者には検査所より必ず連絡が入るが、陰性者には特に連絡はなく各自でHPで確認するのみ。希望者には翌日以降に陰性証明書の発行受取を行っているようだ(料金別途要)
検査結果と精度
結果は陰性であった。 ひとまずは安心したが、陰性=感染していないと断言できるわけではない。検査のタイミングなどによっても検出されない場合もあるし、また陽性であっても発症から4週間以上経っても陽性反応が出る場合もあり、他社への感染リスクが低いというパターンもある。 検査結果はあくまで一つの判断材料だということだ。
今回検査施設を訪れた際、検査キットの受取や提出の時に数人づつとすれ違っているが、20代~30代の人が多かった。これはおそらく海外渡航等で陰性証明書の為に自己負担で受けに来ている人が多かったのではないだろうか。
‟Setolabo衛生検査所 神戸PCRサテライト”も今改めてHPを確認したところ、当日や翌日はもう予約がいっぱいになっていた。10日前に比べて検査の希望者が増えているみたいだ。
今回の発熱から検査までの出来事を体感して改めてコロナウイルスが今世の中に蔓延していることと、それに伴う社会の影響を実感することになった。個人的なレベルでも今後も気を付けて対策をしていきたいと思う。この体験・考察記録が何かの約に立てば幸いだ。
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