古代エジプト展 -天地創造の神話- 京セラ美術館へ①

 6月に京セラ美術館で開催されていた「古代エジプト展-天地創造の神話-」に行ってきたのだが、足を運んでから1カ月以上時を経て改めて記憶を反芻しながらレポートしてゆきたいと思う。今回は写真が多めだ。

ベルリン国立博物館群のエジプト博物館所蔵品

 今回展示されている品々はドイツのベルリン国立博物館群のエジプト博物館にある収蔵品だ。ちなみにこの博物館群の歴史は古く約200年前の1824から造営が始まっており、なんとこの博物館群自体が「ベルリンのムゼウムスインゼル(博物館島)」という名で1999年に世界遺産に登録されている

新博物館 <wikipedia>

ちなみに京都の京セラ美術館での開催はとっくに終了している。下半期の予定としては以下の通りだ

7月10日~9月5日 静岡県立美術館
9月19日~12月5日 東京富士美術館

知らなかった最近の美術館・博物館事情

○ 一部映像を除いて写真撮影可能

 さすがにフラッシュ・三脚は不可だがスマホでも一眼でもOK、十分嬉しい。本当に驚いた。SNS等での話題性・拡散力を目的としているのかもしれない。 全てというわけではないが最近はこういった施設が増えている模様。しかし美術品によっては撮影可能でもむやみにSNSに上げる前に、著作権的な部分を確認した方が良い。

 この日は運よく個人的に別の用事でデジタル一眼カメラを持っていたのでまぁまぁ写真に収めることが出来た。

○ 入り口での検温

 これはもうどこでも当たり前の世界線にたどり着いてしまっている。我々人間は。

○ 人気声優(多分)の音声ガイド

 最近はこういった音声案内も充実してきている。自分は全く知識がないが有名な声優さんが耳元で案内してくれるみたいで、周りにも専用のヘッドホンをつけている人が何人も見受けられた。

神話をもとに具体化された神々やファラオ

冥界・ミイラ作りの神 アヌビス

 古代エジプトはざっくりと第1王朝から中王国、新王国、プトレマイオス朝を経てローマの属国になるまで約3000年間をひとくくりにしているのだが、こういった博物館で確認できる出土品・美術品は新王国以降のものが多い。

 パステト神は猫の出で立ちをした癒しの女神なのだが、注目すべきはそのキャプション。末期王朝、前610年~前595年頃のものとの説明書きに加えて、ネコ2世の治世と表記されている。 これでは一瞬この座像がネコ2世であるかのように誤解してしまう。 なんとも意地悪なキャプションだ(笑)。

スフィンクス像頭部

 入場制限があったので会場はごった返していたわけではないが、緊急事態宣言の影響で開催予定が半分くらいの日数になっていた為、そこそこ人は多かった。 ひとつひとつの解説文をじっくり読んでいる暇はなくテンポよく回らざるを得ない。 写真撮影可能で本当に助かったと思う

ハトシェプスト女王のスフィンクス像

 ハトシェプストは公的な場で政治を行う時は男装していたとか。この胸像ではハトシェプスト女王自身が神として表現されている。 たしかにあごひげもがっつりあるし、神妙な表情だ。

神格化されたイアスメス・ネフェルトイリと思われる王妃の立像

  ネフェルトイリ(ネフェルタリ)は、かの有名な第19王朝ラムセス2世の最初の王妃だ。 彼女は数多いラムセス2世の妻の中で唯一自分の神殿を持つ。死後数世紀を経て、聖なる王妃として崇拝された。 この素材は何だろう。黒い石なのか、素人なので分からない。

 エジプトでもっとも古くから信仰されている神のひとつ、ホルス神。上下エジプトそれぞれの冠を被っている。 ホルスの右目は太陽を左目は月を表す。 でもそんなことどうでもよくなるくらいかわいいなコレ。

ホルスの目

 ちなみにこれが「ホルスの目」。そう古代エジプトの記号というかシンボルとしてあまりに有名な「目」のデザイン。これがさっきの鳥、ハヤブサの姿をしたホルス神の右目(ラーの目)なのだ。素直にかっこいい。いやまじでかっこいい。

装飾品や美術品

太陽の船に乗るスカラベを描いたパネヘシの首飾り

 古代エジプトではスカラベを聖なる甲虫としてとらえていた。スカラベとはフンコロガシのこと。これを見ると映画のハムナプトラを思い出す。

 上の写真のように刻まれた本物のヒエログリフ(象形文字)をみることが出来て感動だった。

2本のオベリスクが建つ神殿の模型

 ちなみにエジプトといって思い浮かぶモノはいくつかあるの思うが、ピラミッドとツタンカーメンのマスクでは時代が1500年くらい異なるし、存在する(した)場所も600キロくらい違うのだ。 たくさんの時代を超えて様々な展示がなされていた。

京セラ美術館について

 たくさんの人に追い抜かされながらも出来るだけじっくりと拝見していたら閉館時間になってしまい、最後は係りの人に追い立てられるようにして施設を出た。

 京セラ美術館は、約90年前の1933年に京都市美術館として誕生。昨年2020年3月に「京セラ美術館」としてリニューアル再オープンした。 建物の地下が入り口となっている面白いつくりだ。



 実は他にもたくさん展示品があった。今回は前半の部分だけを紹介したが次回は後半部分「死」や「冥界」についての展示品を紹介したいと思う。 その②は下記↓


コメント